運命とは必然なもの
04
さぁ、時がきた
普通の生活にサヨナラをしよう
この場所に戻ってこれる保証はない
だからこの場所にサヨナラを言おう
でも心の中でまた戻ってくるよと
絶対戻ってくるよと
戻ってきたいと
心が叫んでいる
心が悲鳴をあげている
本当はこの場所が大好きだから
愛しているから
でもサヨナラを言おう
「ただいま〜。」
「お帰り。」
エドが家に帰り挨拶をすると台所の方から返事が返ってきた
「あ、アル兄。帰ってたのか?」
「うん。今日1時間教授が休みで休講になったんだ。」
「そっか。アルは?」
「ラッセルとフレッチャーと遊んで帰るって。」
「ふ〜ん。」
「今日はシチューだよ。」
「マジ!!やった!!俺、アル兄の作るシチュー大好き!!」
「そう言ってくれると僕も作りがいがあるよ。」
「じゃあ、俺レポート書かないといけねぇから出来たら呼んでくれよ。」
「わかったよ。あっ、エド。エド宛に手紙がきてたよ。」
「ん。サンキュ。」
部屋に入って自分の机の上に置いてある手紙をみつけ中を読むと・・・
「大総統府からだ・・・。召集・・・・。」
そう呟くと部屋から出てハイデリヒに報告した
「アル兄。召集がかかった。」
「そう。じゃあ、大学は休学しないとね。」
「うん。電話、しとくよ。」
「エディ。」
「ん?」
「無理してる?」
「え?」
「無理してるでしょ。顔に書いてあるよ。行きたくないって。」
「・・・。」
「でも、国家錬金術師だから行かないといけない。つらいね。」
「でも俺が選んだ道だから。」
「そうだね。でも、僕はエディに無理して欲しくない。アルだってそうだよ。エディには笑っていて欲しい。でも、僕はエディがどうして国家
錬金術師になったのか知ってるから止めないよ。でも、これだけは絶対忘れないで。エディ、ここが君の帰る場所だよ。例え人を殺めて
しまってもここに帰って来て。僕等は君を拒絶しないから、受け止めるから、ね。」
「うん。ありがと、アル兄。」
「じゃあ、電話しといで。ごほっ。」
「アル兄。大丈夫?」
「うん、ちょっとしゃべりすぎたかな?」
「もう!心配だなぁ。」
「大丈夫だよ。アルもいるし、ラッセルもフレッチャーもいる。それよりエディのほうが心配だよ。また、機械鎧を壊さないかって。」
「なんだよそれー。壊さねーよ!」
「でも、毎回壊してるよね。」
「アル兄のイジワル。」
「あはは。壊れたとしてもまた新しいのつけてあげるから大丈夫だよ。」
「サンキュ。じゃ、電話してくるよ。」
「えっ、姉さん召集かかったの?」
アルも帰って来て3人で夕食を食べているときにエドが召集がかかったことをアルに話した
「ああ。」
「いつ?」
「今日。明日には行くよ。」
「姉さん。無理しないでよ。姉さんは突っ走るタイプだから僕心配だよ。」
「うるせぇ。それに兄さんと同じこと言うな!」
「あ、兄さんも同じこと言ったんだ。」
「うん。エディ、キレたら周りがみえなくなっちゃうしね。」
「2人ともうるさーい!!」
「「あははは!」」
「まったくもう。」
「でも、姉さん。本当に無理しないでね。無事で帰ってきてよ。」
「うん。」
「機械鎧のことは本当に心配しなくていいからね。いざとなったら腕か足を犠牲にしてでも逃げるんだよ。代わりはいくらでもあるから。」
「わかった。」
そして夜が更けていった
愛してると呟いた
愛してると返事がきた
でも、サヨウナラ
返事は来なかった

